ジョッキーLet's伝
〜山野勝也騎手〜

□やまの・かつや
□昭和52年1月9日生
□血液型 O型
□所属  村田六郎厩舎
□勝負服 胴赤白元禄、そで黄
□好きな戦法  先行
       (自分でレースをつくりたい)
□身長  160センチ
□体重  50キロ
□足のサイズ 24センチ
    

       
素顔の山野騎手
 毎朝起床は2時半。9時頃まで20頭の調教をこなす。2年半前から厩舎を出て2Kのマンションで一人暮らし、もっか彼女はいない。好みの女性はかわいらしい人で今は石田ゆり子と同じ北海道出身のモー娘安倍なつみがお気に入りだ。ストレス解消法は友達と行くカラオケ。最近よく唄うのはコブクロの「風」。河村隆一も好きで自分の世界に入ってしまう熱唱型。嫌いな食べ物はピクルスでハンバーガーもピクルス抜きでオーダーする。自炊もしたことあるが一週間でやめてもっぱら弁当生活だそう。
 北海道は三石町。有数の馬産地で生まれた山野勝也騎手の実家は繁殖牝馬を10頭近く抱える山野牧場。アラブの重賞馬ピアホルテや、桜花賞に出走したホクテンホウなどを輩出し、現在、自らが手綱をとるキタサンウィッシュやミチノクパラダイスも山野牧場の生産馬である。
 今年2月に牧場主である父・明良さんが脳溢血で急逝した。50歳という働き盛りだった。「その日もいつもと同じように仕事をしていたし、あまりに突然ことで、いまだに自分の中で切り替えができないんです」とショックの色を隠せない。長男としては複雑な心境だろうが、一番の応援団だった父のためにも騎手として精進していきたいと決意を新たにする。出産シーズンは近所の手を借りながら母の留美子さんと次男が牧場を切り盛りしてくれている。

 
・浦河町日赤病院で誕生
・延出保育所卒園
・延出小学校卒業
・三石第一中学校卒業
 (田中勝春騎手は第二中)
5月16日には札幌競馬場で行われた「どさんこ騎手招待競走」に招待された。「北海道出身として選ばれたのは光栄です。札幌の馬場は広いしコーナーもゆったりして乗りやすい。いろんな経験するチャンスです」と昨年に続いての招待に張り切った。昨年に続いて家族が応援に来てくれたが、そこにはもう父の姿はない。南関東からは浦河町出身の堀騎手(大井)、札幌市出身の細川騎手(浦和)、船橋からは門別町出身の田部騎手と浦河町出身の桑島騎手と共に参戦。7番人気のアカキシオに騎乗してA着に健闘。中団から大外鋭く追い込んだ。「最高の一日になった」と感無量な表情だった。
 馬産地に育ち、小学校の頃から稼業の手伝いをしていたが、具体的に騎手として馬の世界に入りたいと思ったのは中学生になってから。生産者のツテで村田六郎調教師を紹介された。
 
 「小さい頃から野球をやっていて運動神経には自信はあったけど、華やかなイメージとは違って厳しい世界でした。騎手になって8年、あっという間に過ぎてしまった感じです。それでも勝ってゴールをする時のあの気持ちはジョッキーになって良かったと感じる瞬間。きっとジョッキーでしか味わえない喜びだと思う。結果がすべての世界だから、取りこぼしなく、ひとつでも多く勝ちたい。ゲートが開いてみないと何が起こるか判らないが、見ているファンに納得してもらえる騎乗がしたい。競馬は自分一人でやっているわけではなく、一人一人の思いを乗せて走っていることを忘れないように騎乗していきます!」25歳。父の死を越え、また騎手としてもどさんこ根性で弾みをつけたいとき。歌手の北島三郎さんからこんな言葉を贈られたことがあるそうだ。
 「競馬場に来たら、オレはただの人。ここでのスターはお前達なんだよ」



山野騎手のヘルメットの裏には勝負服がポイントマーク。これは戸川理彩騎手のお手製だそうで、この日着ていた調教服も色やデザインを指定して戸川騎手に作ってもらった。側面にはひと工夫も。理彩ちゃんの女らしい一面がこんなところで発覚!

 
 
 休日に中央競馬がやっていればスカパーで勉強。ちなみに山野騎手が日本ダービーで注目しているのはテレグノシス! のってみる?
2002/5月号
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