強い! ディーエスメイドン鮮やかに抜け出す
― 5月14日 東京プリンセス賞 ―
(2003年6月号)
 波乱女王の見事な戴冠だった――馬群のまん中を突き抜けてきたディーエスメイドン。北海道から転入以来の成績からも未知数とあって8番人気。三連単39万という高配当もさることながら鮮やかな末脚のインパクトは強烈だった。
<足立勝久 調教師> 
イシノファミリー(羽田盃3着)を5馬身ちぎる追い切りをしたので実は期待していたんだ。あとでタイムを見たらファミリーの方だって上々のタイムだったくらいだから動いたよね。北海道時代にはブラックミラージュの2着という好走もあったと聞いてはいたが、入厩してきた時には「足の長い馬だな」というくらいで、特に目立った印象もなかった。この馬の素質を感じたのは3月の船橋戦。その前にひと息入れたことも良かったんだろうが、4コーナーでは先頭に立つ強い競馬をしてくれた。トモにササ針をしたあたりからグンと力をつけた感じ。桜花賞へ向かうプランもあったが、距離長いところを経験させたがったのでクラウンカップへ向かったんだ。ハナに行くのは予想外だったが、それでも4着に粘ったのは健闘だろう。次走はオークス。相手は強くなるが、どこからでも競馬ができるレース巧者。力を信じている。
◆ ディーエスメイドン ◆
父カコイーシーズ 
母タケハナホープ
牝3歳 栗毛
2000年3月24日生
調教師●足立勝久
馬主●節 英司
騎手●森下 博
厩務員●加藤正臣
生産者●門別・中原牧場
<馬主 節 英司氏>
 馬主だった父も果たせなかった重賞制覇を見事G1で飾った節英司氏。
ディーエスメイドンについて「メイドンは英語で『乙女』の意味だけど完成された大人の魅力、そうサラブレッドの美しさを100%持っている馬。いつ見ても可愛くて、私の気持ちがいつか彼女に通じればいいなあ、そう思っていました。それが今回(東京プリンセス賞優勝)のような形となった、光栄です。」と語ってくれた。ナグルスキー の肌にカコイシーズという血統面に加え、認定レースでの勝利と道営時代の善戦からもディーエスメイドンの潜在能力を 見抜いていた。目標だった東京プリンセス賞を制して次は関東オークスへ。距離適正はクラウンカップで実証済み。「いつも接触してあげること。休ませてあげること。そして馬と遊んであげること。大事にする気持ち、それを担当厩務員さんにお願いしています。私は自分の馬はどの馬もみんな可愛い。そういう思いが厩舎の方々や馬にも通じるんでしょう。関東オークスへの自信?競馬ですから結果は分かりません。人気になるでしょうね。出られるという喜びはありますよ。」期待からのプレッシャーを掛けないようにとの配慮が伺える控えめなコメントが印象的だった。
<森下博騎手>
  道中ペースが落ちていたのはわかっていたが、誰かが動いてからと思っていたらムギワラボウシが行ってくれたんでついていった。乗りやすい馬だし、とにかく反応が良い。気合いつけるとビューとものすごい反応なんだ。イシノファミリーとの併せ馬した追い切りで抜群に動いたんで、ひょっとしたら、と思っていたんだ。この先、距離をこなしていけるかは流れにどう乗るかになりそうだよ
<加藤正臣 厩務員> 
調子もピークの状態で使うことができたし、流れ、ペースと、すべてがうまくいった感じです。来た頃は追い切りでもフワフワして真面目に走らなかったんで中地さん(元騎手)の提案でブリンカーをつけたらレースでさっそく効果が出ました。馬を恋しがるタイプなので一頭になるとまだフワッとするから逃げない方がいいですね。調教でもそうですいつもは疲れやすくて
寝ワラ食べてます。
3日くらいカイバ食い落ちるんですが、プリンセス賞のあとはバリバリと寝わらまで食べてた。好物はニンジンと寝ワラなんです、コイツ。
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