イシノファミリーがタイトル奪取で開花
― 7月2日 第3回若潮盃 in船橋 ―

◆ イシノファミリー ◆

   父イシノサンデー 
 母アーデルサラ
< 牡3歳 鹿毛 2000年4月26日生>
調教師●足立勝久
馬主●黛 大介
騎手●森下 博
厩務員●富士木和男
生産者●福島・松本泰

写真協力:柳原プロダクション
 
「道中中団から3コーナーで上がっていき、4コーナーでは先頭に立った。だから落馬事故にも巻き込まれることなかった。早めに先頭に立ち過ぎたからヒヤヒヤしてはいたが、結果それが良かったし、馬もよくガマンした」。ディーエスメイドンに続いて重賞タイトルを手にした足立勝久厩舎。イシノファミリーは道営から7戦1勝2着1回3着3回という成績で足立師の元にやって来た。父イシノサンデーに初めての勝ち星を贈った孝行息子だ。移籍緒戦こそ3着だったが三連勝したあと羽田盃では3着と健闘し新星登場と謳われた。東京ダービーではまさかの大敗。JDDを回避して目標絞った若潮盃だけに晴れてタイトルホルダーとなった喜びは尽きない。
 「最初見た時にいい馬だな、と思いましたよ。もっと成績が出せるんじゃないかって。昨年の秋に入厩して来てすぐ大井で調教試験を受けたが、脚元がモヤッとしたんでそのまま休ませることにした。今思えばその休養が良かったんだと思う。それまで使い詰めだったからね。馬が柔らかく、身が入って戻ってきたよ。ただ、川崎緒戦でブリンカーを着けたこと、あれは失敗だった。反対に折り合いがつかなかった。外してみたら三連勝。そして羽田盃のおの末脚には驚いたが、先行力だけでないあの差し足こそこの馬の本当の持ち味ではないかと思う。ダービーでは1コーナーで挟まれる不利もあったし、あのペースでしょ、レースがチグハグになってしまった。JDDはあきらめたというのが正直なところなんだよ」

「ダービーは一番いい状態だったから結果にガッカリもしたが、こうして花開くことができた。ファミリーちゃんは普段はまったく手の掛からない優等生。気性はおとなしいし、カイバもよく食べてくれる。今は来た当時のゴツゴツもウソのよう。強さの秘密? 朝鮮人参が好物だってことかな」とベテラン富士木和男厩務員の喜びもひとしお。次走予定の黒潮盃で2つ目のタイトルを狙う。

 福島県双葉郡葛尾村でイシノファミリーは生まれた。生まれて2ヶ月で北海道に移されたが、94歳になる松本さんの元にいたわずか2頭の繁殖牝馬から誕生した重賞ウイナーである。この小さな牧場ではトーアファルコンやアーデルジーク等8つ目のタイトルだと知って驚かされた。
 
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