モエレトレジャー4馬身差の圧勝劇

― 2月24日 第42回しらさぎ賞 ―
◆モエレトレジャー◆
 父トレジャーアイランド
 母イブキピンクレディ 
牡3歳 鹿毛2001年4月18日生
調教師●足立勝久
馬主●中村和夫
騎手●金子正彦
厩務員●加藤正臣 
生産者●カナイシスタッド
ペースを握って軽快に飛ばす道中から、直線さらに突き離して4馬身差ゴールイン。出遅れの常習犯で後方から追い込んでくる印象のあったモエレトレジャーが見事しらさぎ賞を逃げ切った。
 8戦3勝。掲示板を外したことのない安定したレースぶり。そして、眠っていた本来のスピード値が開花した瞬間だった。

         <足立勝久調教師>

 最初見た印象は「男馬にしてはずいぶん小さいな」という印象だったから、こんなに走るとは思っていなかったというのが本音です。確かに骨格は小さくてもバネの良さは感じましたね。
 気性面はいたって素直だし、体重が増えて来ると共に(デビュー戦では419キロ、しらさぎ賞437キロ)力をつけてきた。ゲートのなかでガチャガチャするんでタイミングは難しいが、ゲートから出れば馬なりでいいスピードを見せるので、初めから「逃げ馬」という気がしていた。
 二戦目以降はどうしても出遅れが響いて、追い込んでもあと一歩届かずというレース。それでも良くここまで伸びて来たという見どころはあった。ハイセイコー記念でもボコッと出遅れて5着。ブルーバードカップはなんでこんなにスンナリ逃げたんだろうってくらいのレースができて、結果3着でも収穫あったね。馬体に余裕あったんだが、馬に落ち着きが出てきていた。月一回という無理ないローテーションでここまで来て、このあとは羽田盃。ミーティアレインも使えれば羽田盃。ブルーロバリーとゴールドファミリーは桜花賞を予定している。


            <金子正彦騎手>

 新派戦で逃げ切ったようにテンのスピードはなかなかいいものを持っているんだ。でもゲートでアオったりするからケツからのレースになってしまっていた。オレがうまくタイミングを合わすことができなかったのかもしれない。船橋では馬なりでハナに立てたし、しらさぎ賞では内枠も幸いして行くと、道中楽なペースで逃げることができた。時計も上々だったね。気性も素直だし、どんな競馬もできる馬だと思う。次走の羽田盃は距離もマイルまでしか経験していないからどんな競馬ができるか楽しみでもあるね。



          <加藤正臣厩務員>

 「チビ」って呼んでます。まだ子供なのか遊ぶのが大好き。いつも元気いっぱい。小柄な馬ですけどカイバ食いもいいし、来た頃に比べても背がグンと高くなってますね。最初は馬房をグルグル回るクセがあったんでストレスでもたまっているのかとおもちゃを作ったりして工夫したらそれもなくなり、手が掛かりません。もう一頭の担当馬ミーティアレインはたいへんなんですけど(笑)。ゲートの中で前ガキしてしまうんで練習を積んできました。毎日ゲートを通すことで、たいぶ解消してきたみたい。そのへんも結果に繋がったんだと思います。

2004年3月号
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