平成17年度 川崎競馬開幕!

森 彪(もり たけし) 開催執務委員長に聞く


◆新年度開催が始まります。まずは昨年度を振り返っていただけますでしょうか?


 16年度は非常に厳しい年だったという一言に尽きますね。売り上げは410億円。15年度は441億円でしたので前年対比では31億のマイナス。景気の動向反映して全国的に売上率が落ちている中では確保できているといえる状況にあり全国的に見れば比較的健闘したといえるでしょうか。これから決算を経て正確な数字が出てきますが、15年度は二千万ほど単年度黒字、16年度は単年度にすると残念ながら黒字にはちょっと難しいかというところだと思います。悔しかったのは台風で一日中止してしまったことですね。トータルで15回68日だった計画が67日になってしまった。雨が多く天候に恵まれなかったことも大きい。これは動員数に響きましたね。
 本場開催に加えて場外発売で、数年前まで5、60だったものが200日と約4倍の実施。このあたりも改善につながったのではないかと思われます。場外発売においてもキングビジョンでの迫力ある映像効果が集客につながったのでしょう。
 それから内部の経費削減。関係者のみなさんには協力をしていただきました。馬主さんの賞金をはじめ、関係各業者には歳出を抑える協力していただいたことには感謝しています。



◆新年度に向けての取り組みについて聞かせてください。

 平成17年度は14開催66日。1開催減りましたがトータルは2日減です。南関東4場の実施形態が原則月〜金へと変わり、開催日程がかなり整理されています。これまでのような水曜まで川崎で、木曜から浦和といった、ファンの皆様にわかりにくい開催をやめようというという取り決めができました。新馬が入って古馬が出てというなかで馬資源が足りない場合は場間で協力しあう。開催によって本場のほか、優先して出走できる場を番組会議で決めますから他場からの輸送競馬が増えることになりますね。
 そのほかにも広域場間場外の連携を強化して他場のレースを二つ組み込んでトータル発売レース数が増えるといったことは今後多く出てくることになります。
 さらに大きな動きとして、今年の一月から競馬法が改正されて施行されました。南関東4場で連携していくことで活性化するための助成が受けられるようになり、もっかネットバンクの導入にこの制度を活用したいと考えています。入金して即買える。出金も同様と便利になります。SPAT4では金曜入金しても土日があいてブランクができてしまう点がネットバンクにより解消できます。さっそく5月2日の川崎から実施開始です。JRAでも6月から始まりますので一つ口座持っていれば相互に利用できるわけです。
 改正によって競馬施行に関して業務委託できる範囲も広がりました。今までは警備などごく限られていましたが、公正確保についての業務以外の分野、たとえば発売窓口をそっくり委託すること等もできるわけです。これは経費と効果を秤にかけて慎重に検討していきたい事項です。
 方針としてはあらゆる面で経費をかけるところにメリハリをつけようじゃないかと。無駄なものがあるということではなく、節約するところはして、かけることはかけるということです。



◆番組面ではいかがでしょうか?

 今年度は賞金が下がりましたね。今まで最下級C3条件の1着賞金が100万だったものが17年度から80万に。これはけっして本意ではありません。賞金を下げる→馬主が減る→いい馬が集まらなくなる→ファンが面白くない、という悪循環は断ち切らなければならない。いい馬が出てきてほしいという想いは変わらず、その策の一つとして助成金制度を続けていく。入厩順100頭には30万の助成金を受けられることで早くから馬が入ってくる。川崎では新馬戦の時から頭数が揃うという喜ばしい傾向にあります。

重賞については前年度と距離や条件、賞金など変えていません。これはあえて意識して変えなかった部分です。
 昨年度から少しずつ取り入れていることですが、下級条件で距離の長いレースを増やしたい。距離のバリエーションについては取り入れていきたいと考えています。
 それから南関東の交流レースを増やすこと。これは出走条件に合致しないと出走できない交流ではなく、限定した条件で各場均等に出して競い合う。昨年度も好評をいただきました。次開催の川崎では栗毛限定競走として実施します。
 二歳の認定レースは昨年来18としていますが増やして欲しいという話をJRA側にお願いしているところです。なかなか厳しい折衝です。
 JBCですか? ぜひやりたいですね。実施するには様々な条件がありますので、それさえ合えば競馬の祭典を川崎でできないかと前向きな気持ちでいます。



◆施設面では?

 大きな改築などはありませんが、禁煙としている特観席において、喫煙スペースをキチンと整備して、副流煙を防ぐようにしていかねばなりません。
 細かい点はよみうりランドと調整していますが、トイレをきれいに清潔にすることは必須。快適に使っていただけるよう徹底しようと思います。
 昨年度を見ても川崎馬の活躍はめざましいものです。今年もさっそくミライが桜花賞で強い勝ち方をした。さらに掲示板の四頭を占めていました。川崎の馬が強い馬がどんどん出てくる明るい兆しのなか、たくさんの方に来場して声援していただける空間を充実させていきたいと考えています。


◆ファンサービスについてはどうでしょう?

 まずスパーキングナイター10年を記念して、新年度からカツマルくんキャンペーンが始まります。マスコットキャラクターであるカツマルくんのミニフィギアに枠番の色をつけて、各開催ごとに違う色を配っていこうと。8枠色プラス金・銀で合計10色。ぜひみなさんには揃えていただきたいですね。
 ファンサービスもグレードを下げないように、川崎に行けばこういう楽しいことがあるんだと思っていただける工夫とアイデアは常に打ち出していきたいと思います。
 新聞広告にも力を入れてより多くの情報を提供し、有効なファンサービスができればと考えています。これは、先にも言いました経費のメリハリをつけたい部分です。
 また、皆様にもご好評いただいている南関東4場の共同ホームページの充実強化を検討しておりますので、ファンのみなさんの欲しいデータがより取り出しやすく活用していただけるようになります。

 最後になりますが、競馬組合の運営は厳しい局面にあります。ここ一、二年は「勝負の年」として職員一同取り組んでいきます。
 競馬法改正による模索、アウトソーシング、そして南関東4場でどういう連携をしていけるか。一場ではできなかったことが連携することで可能性も広がるってきます。関係者のみなさんに、いろいろとご協力いただいていることに感謝しつつ、川崎競馬組合としても努力を惜しまないつもりです。



森彪開催執務委員長ありがとうございました。

(2005年4月-@号)
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