平成19年度 川崎競馬開幕!

酒井俊夫(さかい としお) 開催執務委員長に聞く

【酒井俊夫開催執務委員長プロフィール】
神奈川県横浜市出身。1948年7月7日生。かに座A型。2006年4月川崎競馬開催執務委員長に着任。
◆2007年度の開催がスパーキングナイターで開幕します。まずは昨年度を振り返っていただけますでしょうか?

 川崎競馬の2006年度はJBCへの取り組みが中心でした。三年計画で誘致に成功し、これまで1日開催であったものを2日に分けて実施するなどの川崎独自の開催形態に対して、色んな意見があり紆余曲折しながら実現に至りました。
 売上は2日間で36億円、これは目標に掲げた39億円を若干下回った数字ですが、全体としては成功したと思っています。目標には届かなくても2日には川崎競馬のナイター開催の売り上げレコード、3日には一競走の最高売り上げを記録しています。スタンドを埋め尽くしたファンの歓声で場内は賑わいましたね。壮観でした。
 2日間開催とスプリントからマイルへの変更を理解して認めていただいたことには感謝しなければなりません。開催場は持ち回りが原則のため全国の主催者が名乗りをあげるなかで、川崎の取り組みはJBCの在り方に先鞭を付けたとは申しませんが、裾野を広げることができたのではないでしょうか。実施に際しましてご協力いただいた川崎競馬関係者、全国の主催者、各関係団体そしてファンの皆様にはこの場をお借りして改めまして御礼を述べさせていただきます。
 二日間に分けたなかで、マイルの売上は六億円、クラシックは八億円。そう考えると他の競走がかなり売れたということになります。ローレル賞、ロジータ記念、各種イベントも好評でした。
 ぜひまたやりたいですね。今年は大井、来年は園田とすでに決定していますがその先にぜひ立候補したいと考えています。オリンピックではないですが、四年に一回は川崎でJBCを実現させたいですね。地方競馬の祭典ですから。ナイト&デイは一回やりましたので次はどうするか。いかにして打ち出していくか、今から作戦を練りはじめます(笑)。
 また、昨年はJBCへの準備も兼ねてということもあって、よみうりランドさんの協力を得て施設改修にも着手。特別観覧席の増設のほかグループで楽しんでもらえるようボックス席を新設しました。3号館の塗装も綺麗に塗り替えたり、パドックを張り替えたりと、改修をたくさんしています。塗り替えるだけでもイメージが明るく変わりましたね。

 軸であるJBCと並んでお正月開催も好評をいただきました。南関4場と相談しまして今後は「正月は川崎開催」と固定できることになりましたが、これは非常に大きいと思います。川崎大師への初詣、箱根駅伝と川崎競馬、この3つが新春の川崎の風物詩になっていければと。川崎大師駅前にも大きな看板を立てたことで初詣帰りに寄ってくださったようです。

 18年度の開催成績は14回65日で総額約496億円の売り上げで1日平均約7億6千万円。前年比11.8%の伸び率となり好調でした。JBC開催による波及効果そしてお正月開催、川崎記念やエンプレス杯など大きなレースのある正月以降が天候に恵まれたのも一つの要因です。雨にたたられたりして不調だった前半分を後半で追い上げたという感じでしょうか。
 競馬組合の平成18年度の最終的な決算は現在とりまとめている最中ですが、おかげさまで2年連続で単年度黒字が見込めそうですね。具体的な数字は年度内分のすべての支払いを済ませてから発表できると思います。まだ、多額の累積赤字を抱えておりますが、今後とも気をひきしめて頑張っていきたいと考えております。


◆新年度に向けての取り組みについて聞かせてください。まずは番組面ではいかがでしょうか?

19年度の開催日数は14回64日。賞金面では、昨年と変わりはありませんが、重賞は昨年休止した鎌倉記念を復活させて10月に実施します。以前と同じ2歳戦ですが今年は地方交流というかたちになります。これまで年に3回だった地方交流戦を鎌倉記念、スパーキングサマーカップの2競走増やして5回にします。
 南関東内の交流もさらに拡大していきたい。距離の多様化も図りたいですね。重賞ばかりでなく例えばC2クラスでも2100m戦をやるとか下級条件でも長距離戦を増やしていく、そんな取り組みもしていきたいと考えています。

 川崎競馬組合には神奈川県と川崎市の幅広い部署から職員がくるわけですが、4、5年前から県や市の職員に対して希望制度を設けて手を挙げてもらっていまして、プロパーではないんですが、競馬に興味や知識のある者、それだけ意欲のある者を職員として配置してもらっています。こうした職員も含めて、経営改善に一丸となって取り組んでいます。

 それから、広域場外を拡げたいという希望がありますね。着任して一年間見てきて、当初はナイターの方が売れるのだろうというイメージがありましたが、実際、ナイターとなるとなかなか場外展開という部分で条件が厳しくなってくるんですね。全国で売っていただけるということに有り難さを感じます。


◆施設面では?

 施設整備については、昨年度よみうりランドさんに頑張っていただきましたから、今年になっての大きな施設整備予定はありませんが、AED(自動体外式除細動器)を設置するなどできる範囲での改善は重ねていくつもりです。昨年、競馬開催中の場内で具合を悪くされたファンの方がいて、その際にAEDはないのかとご指摘がありましたので場内に設置しました。
 分煙化を進めるための施設整備もしていきたいですね。どの部分にするかはもっか詰めている段階ですが、禁煙エリアと喫煙エリアをしっかり分けていきたいという考えはあります。


◆ファンサービスについてはどうでしょうか?

 平成19年度の川崎競馬は、昨年のテーマ「川崎ライブ」を発展させた「いざ、川崎っ。」をテーマにポスター等で広報展開していきます。京浜急行のドア上広告に加えて、JR線内に中吊り広告等を再開させましたのでこのようなPRは今後もしていきたいですね。中央競馬ファンを意識したタイミングでテレビCMをスポットする予定もあります。
 18年度を見ますと在宅投票の伸びが良い。平成17年5月からジャパンネット銀行、同年12月からイーバンクと提携して拡大してきまして、楽天競馬との提携も2月から始まっていますので4月以降にも期待したいところです。在宅投票は仕組みとして大変ありがたいことですが、18年度もJBCとお正月開催があったぶん健闘したにせよ全体として本場への入場者が減少傾向にありますので、本場に来ていただくための取り組みを強化したいと考えております。18年度は「川崎ライブ」というテーマを掲げまして、本場に来ていただいた方には別の楽しみを味わっていただけるよう力を注いできました。今年はポイントカードを導入することでさらに強化していきます。具体的な内容はまもなく発表できると思います。オンラインクーポンも積極的に利用していきたいですね。携帯世代に向けた発信も強化していきたい取り組みです。

JBCとお正月開催があった18年度。そして19年度は川崎競馬にとっての本当の意味での「勝負の年」でもあるわけです。今後を占う意味でも大事な一年になってきます。
今年もたくさんのファンの方にぜひ本場へ足を運んでいただいて、川崎競馬に響く蹄音をライブで楽しんでほしいですね。

◆酒井開催執務委員長ありがとうございました。  

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