〜 馬事徒然 〜
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2歳女王の帰還 〜 ビービーバーニング 〜

  ひんやりとした空気、ほんのり柔らかな日差しの中、調教能力試験を見に競馬場に向かう。

桜花賞から約8ヶ月、待ちに待った彼女が帰ってくるからだ。

彼女が休養直前に走ったときは桜が満開の季節だったが今はもう
葉が落ち、木は春に向け力を蓄える季節になった。

久しぶりに競馬場に厩舎の黒い馬服を着て姿を現した彼女は力が入りすぎているように見える。

「久しぶりだからね、8ヶ月ぶりだもの。入れ込むのも無理はない」

と武井調教師。東京2歳優駿牝馬のとき、甲斐騎手が騎乗してからゲートに入るまですごく頭を振っていたことを思い出した。

パドックではおとなしくて写真がとても撮りやすかったのに本馬場入場してゲート前で輪乗りしている間彼女はずーっと首を上げ下げしていてこっちは写真を撮るのに四苦八苦したのだ。

馬体重は479キロ、好調時レースに出ていたころとほぼ同じ体重。調子は戻りつつあるようだ。

馬体検査を終え、パドックに向かい何回か周回後馬場に入った。朝日を浴び、短めの尾を揺らして颯爽とでてゆく。

ゲートも問題なくスタート、やはりさーっとハナを奪いに行く。

そのままスーッとハナにたち1400Mを1分30秒7でゴールした。

相変わらずの快速ぶりではある。

最後に武井調教師に「いい感じですか?」とひどく抽象的な質問をした。

師は(私の無知な質問に失笑したのかもしれないが)笑顔で

「そうだね、いい感じだね。」と答えて帰っていった。

復帰レースは今開催A3クラス1600Mを予定。復帰レースは1600Mだから200M延長だけ心配だが彼女のもともとある能力ならこなしてくれるのではないかと期待してする。

気持ちよく怪我なく無事に走ってきて欲しい・・・、それだけが今の私の願いである。   <楓>

2004年12月
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