〜 馬事徒然 〜
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初勝利おめでとう 町田直希騎手

  4月18日にデビューした町田直希騎手(秋山厩舎所属)が、翌19日の陽炎特別で6番人気のスフィーダ(河津厩舎・牝・6歳)に騎乗し、初勝利をあげた。デビュー戦は9着だったが、2戦目で早くも結果を出し、素質の高さを見せてくれた。
 スタートから先行三番手のポジションを維持し、4コーナーで先頭という、まさに横綱競馬といえる内容。それでも「勝利を確信したのは、ゴール直前」だったという。
 デビュー戦当日、そして初勝利の日と、栃木から家族が競馬場に来ていたそうだ。紹介式では秋山調教師の粋な計らいで母へ感謝の花束贈呈する場面もあった。目の前での初勝利は、素晴らしい親孝行になった事であろう。
 「デビュー戦は思っていた通りにはいきませんでした」というように初陣は自身の騎乗に
50点評価。実は(緊張のあまり?)デビュー前日に熱が出てしまったそうだ。
 しかし実戦では、ゲートの後ろでの輪乗りの時は緊張したものの、ゲートに入ってからは落ち着いてレースに集中出来たらしい。さすが「昭和世代最後の大物」である。
「一つ勝てたことで自信になりました」。実は初勝利の日、教養センター時代の教官も偶然競馬場に来ていて、裁決室で「おめでとう」と声を掛けていただいたそうだ。所属している秋山調教師からも、「うまく乗った」とうれしい一言をいただいたらしい。
 毎日朝2時30分に起床。一日約15頭ほど調教をつける。初勝利の相棒となったスフィーダも調教で乗っていた馬だった。
 憧れの先輩騎手たちと一緒にレースに乗れる事については「とてもうれしい。でもまだレース中は自分の事で手一杯です」。自厩舎の馬でレースで乗ってみたい馬は?という質問には「ハロードーリーです」と即答してくれた。理由は、教養センター時代、厩舎へ研修に来ていたときに世話をしていたから。「いつかは実戦で乗りたいです」とうれしそうに話してくれた顔からは馬に対する愛情が溢れていた。調教をレースにつなげるのはなかなか難しい。レースではまだ「肉体的にも精神的にも疲れます」との事だが、語ってくれる表情がとても生き生きと輝いていたのが印象的だった。                   <と>  

2005年4月
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